無能薬 1/8

起きた途端にテストだった。昨夜はテスト前なのにキリンの9%のレモンサワーと常備してある梅酒を飲んだ気がする。微妙な吐き気を感じ、なんとかテキストを眺めるもそんな時間も束の間、すぐにテストが始まる。僕に朝はない。

 

当然、出来は最悪だった。語学の会話の授業だったが、先生に「この言語のどこが難しいの?」と深刻そうな顔で聞かれるような出来だった。帰ったあとは何をしていたのだろう、2時間近く記憶がない。

 

18:30からはイベントが始まる。所属しているサークルのオンラインミーティングだ。僕はサークルの中でそこそこ重要なポジションを任せられているのだが、とても働きぶりはそれには見合わない。今日も無能プレーを炸裂させる。場を回すのが下手くそだからか、自分に何も力がないのに班内のことを全て自分でやってしまう。後輩に仕事を振った方が絶対にいいのに。

 

ちょっとデカめの仕事をしているのでミーティング後に大人とサシで軽く話したのだが、そこで班の中で決まったことをあっさりと覆してしまうという立場のある人が一番してはいけないことをしてしまい、軽くメンバーの怒りを買った(たぶん)ところで今日の活動は終わり。脳内反省会をしていたらこんな時間になってしまった。小さな組織の小さなプロジェクトもろくに動かせないアスペ野郎の僕が将来お金をもらって働いていくことができるのだろうか、心から不安だ。

 

ミーティング後にTwitterを見ていると、僕の好きなアイドルがまた1人卒業を発表した。活動を始めてからまだ2年半、明らかに早すぎる。卒業発表のブログの文面を見る限り、自分の可能性に限界を感じてしまったようだ。そんなはずないのに。才能に満ち溢れているのに。めちゃくちゃ可愛いのに。めちゃくちゃ映像映えしてえ明らかに女優にも向いてるのに。自分と同じ世代でたくさんの可能性を持った彼女がなぜ限界を感じてしまうのだろうか。僕には到底理解できないが、彼女ですら限界を感じてしまうなら僕もとっくに限界なはずだ。誰しも生きるのは辛いらしい。