きな粉、風で飛ぶ

怠惰な僕はどうやら日記は続いても1ヶ月までだったらしい。始める前からわかっていたことだ。だが、僕ははてなブログを捨てきれない。それは連載への憧れを捨てきれないから。最近は芸人さんのエッセイを読むのにハマっていて、Aマッソ加納さんのエッセイを読むなどして過ごしていた。芸人さんのエッセイはたいてい、ウェブメディアや雑誌での連載をまとめたものだ。そう、僕は連載が好きなのだ。というわけで、これから毎週水曜の深夜に乃木坂46オールナイトニッポンを聴きながらはてなブログに連載を書いていこうと思う。勘のいい読者の皆さんは気付いただろうが、どうせこの連載も続きやしない。たぶん4月くらいに更新が滞る。もしかしたらもっと続くかもしれない、という期待に胸を膨らませておいてほしい。

 

ひとつ言えるのは、「コミュ障なのに自己顕示欲が高い」という僕の習性からして、不特定少数に発信することのできるこの連載は僕にとって心に安らぎを与えてくれる気がするということだ。

 

 

就職について、唐突に話し始める。2年後にはもう働き始めるお年頃になってくるので、さすがに考えざるを得なくなった。

 

かねてから、僕は何かしらクリエイティブな仕事をしたいと思っていた。テレビ局をはじめ各種メディアや広告代理店など。僕は文化が好きだし、文化を作る側にそろそろ回ってみたいと考えていた。

 

だが、どうやら激務らしい。「残業」どころでは済まないレベルの残業(会社に泊まるなど)をしないといけないらしいし、広告代理店に至っては飲みなども激しく、「吐くまで飲むから博報堂!」といった僕の嫌いなものを凝縮させたようなコール(ゴリゴリの体育会系による)もあると風の噂で聞いた。僕は怠惰なので会社に缶詰め状態など勘弁だし、お酒はグビグビというよりしゅっぽり派だ。

 

あと、残念ながら僕にはクリエイティブな才能はない。小さな頃から図画工作や音楽が大の苦手だったし、感性を育む上で大切なはずの小中学生の時期に芸術を軽んじていた気がする。センスもないし努力もしてこなった人間が通用するほどクリエイティブは甘くないはずだ。

 

とはいえ、僕はクリエイティブが好きだ。文化が好きだ。坂道アイドル、邦ロック、お笑い、プロ野球に関しては「マニア」レベルのかなり深い知識を持ち合わせている自信があるし、読書も映画も、そして麻雀に至るまで、二次元以外であればかなり幅広い文化に精通している。だから、これからも僕の人生は文化と共にある。

 

才能のない人間が文化と共にある最善の方法は「ファンである」ことだ。自分の才能のなさに打ちひしがれることもなく、程よく投資をすることで才能のある人を支えることができる。

 

僕は「善いファン」でありたいと思う。好きな人のSNSには「いいね」だけを押し、彼らのクリエイティブを楽しむためにお金を払って現場に足を運び、終わったらハッシュタグを付けてひたすら褒めちぎるツイートをする。「ファンの皆さんのおかげで頑張れています」の「ファンの皆さん」の一員で常にありたい。それで満足だ。

 

そのために必要なのは余暇と程よい収入だ。余暇、つまり平日の昼間以外の時間に仕事がなく、安定してそこそこ収入が得られる仕事といえば一つしかない。そう、公務員だ。

 

もちろん、公務員が楽な仕事だとは思っていない。大変なことだってたくさんあるはずだし、想像通りにいくものでもないだろう。とはいえ、働き方改革を推進していく立場なので定時に上がりやすいはずだし、収入は保障されている。それに、僕は今ボランティア団体に所属しているのだが、ボランティアにそれなりのやり甲斐を感じているし、お金のために働くよりも人のために働く方が性にあっている。In addition,大学生にもなって公務員になるためにコツコツ勉強を重ねるような人間に「吐くまで飲むから博報堂!」みたいなことを言う人間はいないはずだ。

 

唯一気がかりなのは親のこと。田舎に生まれた僕を手塩にかけて育て、決して裕福ではないにも関わらず高校から寮生活をさせてくれており、今も東京の大学に通わせてもらっている。息子には当然、親孝行の一環としてがっぽり稼いで欲しいはずだ。何より、申し訳ない。

 

この間、「就活どうするの?」と親からLINEが来た。今の怠惰な自分をあまり知られたくないので親に私生活を話すときはたいてい話を特盛りにして話しているのだが、就職となるとそうはいかない。さすがにバレる。

 

ということで、やむを得ず公務員になりたいと思っていることを話した。つい1年前まで「商社に入って世界中を飛び回りたい」とか言っていたやつが急に公務員がいいと言い出したらどう思うのだろうか、かなり怖かった。

 

意外なことに、ちゃんと受け入れてくれた。というか、めちゃくちゃ背中を押してくれた。これは想定外だ。こんな親不孝な息子、僕が親だったらきっとブチ切れている。小さい頃から僕の親は厳しい人だと思っていたが、意外とそういうわけでもないようだ。

 

ありがたい話なので、20歳の誕生日プレゼントは公務員試験のテキストにしようと思う。意外とお金かかるし。